| 天神の常夜灯 |
| トップ > 廿日市再発見 歴史 > 天神の常夜灯 |
| 廿日市の湊を見下ろす天神山に鎮座する天神坊の鐘楼堂(梵鐘をつるす堂・ | |||
| かねつき堂)の横に常夜灯が残っています。廿日市の問屋商人が、今から約 | |||
| 270年前元文三年(1738)に夜間に航行する廻船・漁船等の「ミヨ・ミヲ(澪)ノ火」 | |||
| 灯台として航行の安全を守り、当時真っ暗な闇夜のなか、廿日市の湊に寄港 | |||
| や帰港する目印として見晴らしの良い天神山に寄進したものといわれている。 |
| 今から約三百八十年前の江戸時代初めの | ![]() |
|||||||
| 廿日市は佐伯郡からの年貢米の集積地と | ||||||||
| され、その年貢米を扱う米穀商事が発展。 | ||||||||
| 文化十年(1813)他国米の売買と石州(島根 | ||||||||
| 県東部)方面への転売が認められ、文政九 | ||||||||
| 年(1826)、年間の他国米の移入一万九千 | ||||||||
| 四百石の62%を廿日市の米問屋が扱い、近 | ||||||||
| 在の飯米・酒造米として売り、さらに山県郡 | ||||||||
| や石州・防州(山口県東部)方面へも積出さ | ||||||||
| れていた。 | ||||||||
| また十六世紀後半の近世の初めから材木 | ||||||||
| の集積地として佐伯郡内の約70%の板材木 | ||||||||
| の移出を廿日市が占めていた。 | ||||||||
| 廿日市の問屋商事は、米穀商事と板材木商事を中心として発展していった。 | |
| 文政二年の記録では、当時諸国から廿日市へ入荷した交易商品は穀類・肥 | |
| 料・林産物・日用品・家具・鉄・鋳物など七十二種類に及ぶ。 | |
| 能美の塩、対馬の干鰯、愛媛の煙草、唐津の磁器など各地の特産・名産品も | |
| 入荷していた。商圏は佐渡・越前・加賀・石見・長門・周防・肥前・伊予・讃岐・ | |
| 阿波・備前・播磨・大坂・紀州と西回り航路の「北前船」により、北陸・九州・大 | |
| 坂に至る広大なもので、頻繁に出入りする廻船の港の目印として、常夜灯は | |
| 必要不可欠であった。 | |
| ◆廻船とは国内沿岸の物資輸送に従事する荷船 | |
| ◆大阪は往時は大坂と書く |
| 入津先 | ||
| 県名 | 旧国名 | |
| 新潟県 | 佐州 | 佐渡国 |
| 福井県 | 越州 | 越前国 |
| 石川県 | 加州/賀州 | 加賀国 |
| 和歌山県 | 紀州 | 紀伊国 |
| 大阪府 | 摂州 | 摂津国 |
| 兵庫県 | 播州 | 播磨国 |
| 島根県 | 石州 | 石見国 |
| 岡山県 | 備州 | 備前国 |
| 愛媛県 | 予州 | 伊予国 |
| 香川県 | 讃州 | 讃岐国 |
| 徳島県 | 阿州 | 阿波国 |
| 山口県 | 長州 | 長門国 |
| 山口県 | 防州 | 周防国 |
| 佐賀県 | 肥州 | 肥前国 |
| 長崎県 | 肥州 | 肥前国 |