トップ 特集1 江戸の文化いろいろ吉原と川柳10


江戸一の大歓楽街  -吉原と川柳-
その拾
 浅黄裏(あさぎうら)とは、江戸勤番ポット出の田舎武士のことで、着物の裏の浅黄色なるが故に、
侮辱を意味する代名詞に用いたもので田舎武士も、此廓(このさと)へ来ては、頗(すこぶ)る価値が
ないのである。
元は羽織の裏が浅葱木綿のことが多く、浅葱裏が浅黄裏に転じたようで、浅黄色ではなく、青緑
(浅葱色)が本来の色である。
     浅黄裏まくらの紋をくどく聴き
     新造に云ひこめられる浅黄裏
     違ひ棚あけて浅黄は叱られる
     人は武士なぜ傾城に嫌がられ
     ◇新造(しんぞう)・・・禿(かむろ)が成長して十三、四歳になると呼ばれる名。
     ◇禿(かむろ)・・・花魁に付いて身辺の雑用をしながら遊女になるため修行をしている少女。
     ◇傾城(けいせい)・・・遊女、太夫を指す場合もある。


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