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江戸一の大歓楽街 -吉原と川柳- |
その玖 |
中宿では、平素(ふだん)醫者(いしゃ)に仮装の出来る、一切の衣装を取り揃えてあって、僧侶に貸し |
与えていたのである。、 |
狼とは、狼に法衣(ころも)の意で、即ち僧侶の代名詞としたのである。 |
船宿へ来て狼も醫者に化け |
中宿へ出家這入ると醫者が出る |
愚僧化して醫者となる面白さ |
脈をみておくんなしに化けが波れ |
其骨柄はあっぱれな醫者と見え |
◇ 土手を行く醫者は上野か浅草か |
末句は、花の雲鐘は上野か浅草か(芭蕉)・・・のパロディーか!! |
更に、 花の雲花は上野か浅草か・・・最も有名なり。 |
旗本、御家人と云わず、農工商の頭に立つ武士も、また木石(ぼくせき)ならざる身とて、伊達を競い |
盛んに此廓(このさと)で遊んだものであった。 |
◇木石・・・木や石のように、情も感覚もないもののたとえ。 |
吉原へ始めて伺候つかまつり |
◇伺候(しこう)・・・謹んで貴人のそば近く仕えること。 |