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江戸一の大歓楽街 -吉原と川柳- |
その拾壱 |
浅黄裏(あさぎうら) の風俗 |
千草色郡内に丸一の紋所付浅黄裏の小袖に、木綿七子の帯を〆め、黒毛どろめんに、萌黄甲斐絹 |
の裏をつけた袷羽織(あわせはおり)、卯紺木綿の襦袢(じゅばん)を五分長に出し、羊羹(ようかん)色 |
の袖頭巾(そでずきん)に顔をかくし、長い大小をくわんぬきさし、ぢぢいばしよりに中ぬき草履(ぞうり) |
をはき、扇で拍手をとり云々。 |
とあるを見ても、あまり気のきいた風躰(なり)ではない。 |
川柳の舞臺(ぶたい)で、この浅黄裏は、非常な花形役者であって、後家、下女、居候などなど共に |
豊富(たくさん)に詠まれている。然(しか)してこの浅黄裏は、廓(くるわ)へ来て羽振りのきかぬこと |
夥(おびただ)しく、曾(かっ)て歓待を受けし句の見當(みあ)たらないのである。 |