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江戸一の大歓楽街 -吉原と川柳- |
その柒 |
四ッ手駕(よつてかご)は、猪牙船ちょきぶね)と共に、無くてはならぬ交通機関の一つであった。 |
紙漉きの耳にさびしい四っ手駕 |
往昔、浅草界隈に紙漉場(かみすきば)が多く散在していたので、其の附近を通る四ツ手駕 |
の飛んで行く華やかさに引代えて、紙漉きの侘しい生活を対照したもので、浅草紙と云ふのは、 |
この辺りで多く製造したものである。 |
四ッ手駕帰りは土を踏んでくる |
往くときは宙を飛ぶような駕かきの足も、戻りはゆっくり行くと云ふのである。 |
四ッ手駕中でくぜつを考える |
忘れ難きゆうべの口説を憶ひ出して、密かに微笑む顔つきを人が見たら正気の沙汰とは思われ |
まい。 |
四ッ手駕乗る気の奴はそつと呼び |
小便をするうち四っ手拵へる |
四ッ手拵(こしら)へるとは、座蒲団などの汚塵(ちり)を駕かきが払うのである。 |